FNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFN

          メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

================================================================

    ★第060号       ’00−09−22★

================================================================

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

     ポスト英語社員

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

●環境の激変によって

 

生じる<種の絶滅>に歯止めをかけようと奔走する人々もいるが、環境悪化

促進派の方が絶対多数ゆえ、その努力は実りにくい。  滅びる者は滅びる。

おお汝ら Vanishing Breed よ、、、   凡人は束の間、感傷に浸るのみ。

 

しかしニホンオオカミやトキの話ならともかく、ビジネス社会のこと、いや、

自分のこと、となったら、誰でもあまり平然としてはいられないだろうに。

 

 

前号<英語社員>は、海外企業と共同のビジネスを立ち上がらせる際に起用

された、いわば接待やセレモニーの要員。  事業が走り始めれば、必要な

スキルも違って来ます。  幸いその要請にも応えられることを何かで示し

得た人を除き、彼らが<絶滅>に向かったのはやむを得ないことでした。

 

普通、企業構成員の主目的は<仕事>。 それを達成する手段の一つとして、

たとえば英語も必要だろう、と見るのは宜しい。  が、<英語社員>には、

英語を喋ること自体が目的、ペラペラと一場面やりおおせるだけが成果、の

ような人があまりにも多かった。  <目的>の認識が1段階ズレていたの

がまずかった。  それに気付かなかったのが不幸、彼らの運の尽きでした。

 

*   *

 

英語だけじゃ、、 の反省でしょうか、その後、代わってMBAなるものに

流行が移りました。  その資格を獲得するには、もちろん相当な英語力が

必要ですが、それはあくまでも目的達成手段の一つ。  当然の認識です。 

 

しかし読み書きやお喋り以上に、ディスカッションやプレゼンテーションが

人並み優れていなくてはコース修了は難しい。  基本的な<コンテンツ>

のほか、それを<プロセス>に載せて生かす力が無くては、、 ということ。

 

で、MBAコースは<ケース・メソッド>など、<プロセス>能力の錬磨に

重点が置かれます。  コンテンツ志向から抜けられない日本の大学と違い、

もともとアメリカの大学教育はプロセス志向でしたが、マネジメントのプロ

たるにはそれでも十分ではないから、、 なのでしょう。  かくて

 

彼我の差は歴然、文部省や政治家にそれが見えないらしいのは不思議です。

しかし、見えたら座ってはいられない。  MBA留学する人も珍しくなく

なったし、グローバル化に励む企業が社員を派遣したりする、、 これは、

<新・英語社員>の一つのスタイルなのかも知れませんな、、、

 

*   *   *

 

と言うと、私がMBAなるものを推奨するかのようですが、そうでもない。

近ごろのMBA、特に国産MBAのことは知りませんが、(前号に書いた)

Y氏とE社を訪れた頃のアメリカ、という限定付きなら少々知っています。

 

折しも張り切った若いMBAたちが、第一線に出始めたところでしたから。

その何人かと接した経験から一口に言えば、実に奇妙な連中。 会議中も

社用ジェットで飛んでいる最中も、何故か電卓を手放さない。 彼らの頭

にあるのは数字だけ。  情緒抜きで数字、数字、数字、、

 

たたき上げのオジサンたちはそれぞれに個性豊かで好ましかったが、その

せいか、彼らもMBA連中と大変気が合っているわけではなさそうでした。

モノづくりの心が分からない、いや、分かろうともしない無味乾燥ぶりで、、

 

最終的にE社との<縁談>はご破算にしましたが、大きな理由もその辺に

ありました。  オハイオのT社と合弁を目論んだのは、良い製品で顧客

に喜んでもらおう、の一心から。  それはT社とも一致していたのです

が、そんな<心>は数値化不能。  MBAの算術には含まれない要素、、

 

喜びを Give するか、利益を Take するか、順序の違い以上に目的の違い。

要するに<哲学の違い>ではありますが、彼らの<プロセス>的スキルは

単に算術的利益のためだけのものに見えました。   ヤッテランナイヨ!

 

*   *   *   *

 

だから80年代アメリカ経済不調の時、「MBAが会社を潰す」に類する

記事に出会っては、さもありなん、一人ひそかに頷いておりました。

 

それはまた、品質・納期・コストの古典的3要素を全て満たした日本企業

たち有頂天の時。  その繁栄の原動力はもちろん<英語社員>ではなく、

MBAなど多分考えもしない人々でした。  英語もプロセスも意識せず、

専門分野のコンテンツとヤマトダマシイで頑張った人々。  それが日本

企業本流社員の姿、でしたな、今や Vanishing Breed になりましたが、、、

 

***************

 

 

 

●本流社員にとっての外国語は、

 

(英語に限らず)<やむを得ないもの>でしかなく、従って、頑張り方の

種類が違います。  格好つけたりアップデートしたり、の余裕は無い。

 

いや、あっても、それは枝葉末節。  業務目的の遂行という筋を外して

どこに<本流>ありや、の迫力です。  必死というか、もう生死不問、、、

 

とにかく我々戦後派が社会に出た昭和30年代、情報整備は全く不十分で、

さながら特攻隊。  とにかく行け、現地で調べろ、あとは何とかしろ、、

といった乱暴な話がザラでしたから。  たとえば、

 

 

中学・高校を通じての同級生、ワセダで機械工学を修めてF電工に入った

K君は、生まれて初めてのポルトガル語なのに研修は僅か2週間。 それ

でいきなり、ブラジルはウジミナス製鉄所の大建設工事に派遣されました。

 

持たされたのは、現地で労働力を調達する資金少々。 それは難儀でした。

工事現場のトンネルの中、<丸太ん棒>に躓いたと思ったら大蛇だったり。

 

集まった労働者のデカさはゴリラ並み、無言で取り囲む彼らを見上げつつ

の指図だからやりにくい。  何もかも巨大なスケール、圧倒された由。

 

インフレも圧倒的で、カネはたちまち底をつく。  単発セスナを雇って

ジャングルを越え、サン・パウロに出張所を持つ日本商社S商事へ前借り

に行くのも彼。  それやこれやすべて片言、助けなし。  為せば成る、、

 

工事の区切り目ごとに出来栄えをチェックするのはK君本来の責務ですが、

それがデカイ皆さんの気に入らない。 「オレたちを信用しないのか?」

本気で迫るんですとさ。  眼相?に特徴があり、<出目ちゃん>と愛称

された彼が、そのメダマをパチクリさせつつ応戦した様子が目に浮かぶ、、、

 

*   *

 

渡航直前<2週間の現地語研修>は、今にして思えば当時のスタンダード

でしたな。  ジェトロ(日本貿易振興会)に入ったM君も、ナイロビの

駐在を拝命した時、同じく<2週間のスワヒリ語>で、行け! となった。

 

それでも彼ら粉骨砕身、あらゆる困難を克服したのだから大したものです。

しかし言葉の不利にも拘わらず、任務を全うできたのはいったい何故か?

 

要約すれば、何よりも仕事の<プロセス>をシッカリ身に着けていたこと、

それを外さずに実行したこと、でしょうな。  それが正統派の強みです。

 

本流業務の本職であればこそ、改めて<プロセス>を意識する必要が無い。

仕事自体が正しいプロセスの形に組み上げられていれば、言語的には十分

でなくとも、所期の目的を達成することは出来るもの、、  なんですな。

 

*   *   *

 

しかし、それは主にモノの形がある場合。 また、積み上げ思考で対応する

ことが可能な場合。  そうでない場合には、たとえ<英語社員>が付いて

いても安心はなりません。  相手はイライラし、ついにはそっぽを向く、、、

 

たとえば意思決定。  Rational Process なら、押さえるべきポイントを

押さえ、見届けるべきところまで見届ければ、チョイスはおのずと定まる。

 

ところが<空気が決定する>日本式では、その空気が醸し出される過程も

一概ではあり得ないし、たとえ決まったかに見えても、誰かさんの一言で

アッサリ覆されたりします。  いつ、どう決まるか、は神のみぞ知る、、、

 

そんなこんなでアチラさんには、日本人のモノの決め方が分からないとか、

意思決定があまりにも遅い、と評判が良くない。  それはずっと前から

だし、そう感じている人はコチラにも少なくないが、容易には改まらない。

 

***************

 

 

 

●対話でまずいのは、

 

相手をイライラさせること。  作戦的にわざと、という場合もあるとは

思いますが、それは<建設的な対話>のマナーではありませんね。 

 

しかし、その気は無いのに相手をイラつかせてしまう。 しかも無意識的、

であっては哀しい。 成り立たせようとしながらブチ壊す、、 では、ね。

 

 

アチラは何故イライラするか?  <主張の食い違い>ではないでしょう。

それは調整や妥協が可能ですから。 しかし、こう来るはず、とアチラが

予測するところへコチラが行かない、では調整も妥協もありはしません。

 

即ち、アチラさんの予測を裏切るような話の運びでしょうな、イライラの

もとは。 英会話学校でどう教えるか知りませんが、良い対話とは相手の

anticipation に沿ったものなのです。 即ち、ポイントを外さない運び。

 

何も、アチラのペースで、というのではありません。 そこを取り違える

ような人でも政治家や役人になれるので困るんですがね、この国は、、  

 

*   *

 

食事にたとえれば、アチラは洋食コース。 前菜、サラダ、スープ、魚、

肉、、  順は決まっているし、片付けなければ次を出してもらえない。

 

コチラは(極端には)幕の内弁当。 初めから色々詰まっているし、どれ

から食べても良い。  気ままに突っつき回すのが普通ですから、それを

「次はあれへ行くはず」なんて予測すること自体がナンセンス、、、

 

往年の<英語社員>も地は<幕の内>の人々、大切な交渉場面でコチラの

トップが<幕の内>風をやらかした時、果たして適切にアドバイスしたか

どうか。  <通訳>さえすれば真意が伝わる、というものではなかろう。

 

舌先ばかりペラペラでは、かえってアチラには何やら策略めいて聞こえ、

甚だ良からぬ印象を与えたかも知れません。  何しろコチラ、<真珠湾

騙し討ち>の<前科>があるから、疑われるのもやむを得ない、、、

 

そんな事態を回避するには、また、雰囲気がアヤシクなった時、それを

緩和するには、、、  どうしたら良いのでしょうね?  

 

*   *   *

 

真摯なる本流社員も、業務のプロセスから外れた筋で工夫が必要になる

とか、単純な積み上げ思考では応じられない状況に曝されることはあり

得ます。  で尚かつ、アチラの anticipation に沿うには、、、?

 

ホラ、おいでなすった、と思われるでしょ?   決まっていますよ。

 

Rational Process で!」は間違いなく、その答えの一つ。 しかも

テスト済みです。 EM法受講経験者が海外へ出て挙げる成果は格段に

高い、と何社もの顧客企業が認めていらっしゃったのですから。  で、

 

最近の<海外赴任直前研修>には、EM法を組み入れる例が増えており

ました。  ヤマトダマシイも影が薄くなって来ていますし、あっても

それだけではどうにもならない時代、、  モノの形を取らないものが

ビジネスの対象となり、また、ビジネスを支配するようになった時代、

ですからね。   あなたは何をよりどころになさいますか?

 

                          ■竹島元一■

===========================================================

FNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFN

                       ■ホームページへ戻る